排泄介助のポイント

介護職の仕事では、利用者の排泄や失禁の介助も重要な部分を占めます。ただし一口に利用者といっても、健康状態や個性も様々。このため排泄といった介助の際には、利用者一人ひとりの様子をしっかり把握した上で、丁寧で適切な介助が求められます。そこで、排泄や失禁の介助をする際のポイントについて、あらかじめよく知っておくことが大切です。

まず利用者が排泄の際に、何ができて何ができないのか、日頃からチェックしておきます。例えば、ベッドから起きて便座まで行けるか、腰より下の衣服を着脱できるか、あるいは排泄後の清潔動作は可能かなどをチェックして、できない部分だけ介助するように対応します。また利用者一人ひとりの排泄パターンを把握しておくことも重要です。排泄表などを作成しておけば、便の時間から状態なども含め、トータルに排泄の現状を知ることができます。

排泄の介助では、プライバシーの保護も忘れてはなりません。個人の尊厳を守ることは介護の基本。排泄の際にはカーテンやパーテーションなどを使用し、できるだけ利用者の羞恥心が少なく済むように環境を整えます。また介護職は言動にも注意しなければいけません。高齢者の中には意図せず失禁をしてしまうこともあります。その場合に叱咤や誹謗などの言動によって、人格を傷つけるようなことは厳禁です。これは言動に限らず、表情や態度でも同じことが言えます。介護職は寄り添う気持ちで利用者を理解し、失禁の原因を明らかにしてから、適切に対応する必要があります。